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苦瓜の朝鮮漬け(キムチじゃないよ?でもキムチでもあるよ!)

(はじめにおことわり、この記事は Wikipedia に書いたら「独自研究」とか張られる程度に、裏取りは私の記憶と経験とソースを忘れている程度の知識に依存します。ここはお気楽な私の食べ物への思いや、美味しかったものの紹介をするブログですから、「ソースを出せ」とか面倒な事はご勘弁下さい。もちろん、確からしい「ソース」を示した上で記事に誤りをご指摘頂ける事は歓迎です。)

どうやら近頃は特に若い世代を中心に、「朝鮮漬け」という漬け物は “「キムチ」の古い世代の呼び方” だと誤解している方が多い様子。実は、違います。正しくは、"はんぶん、ちがいます" と言ったところ。

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↑苦瓜(≃ゴーヤ≃蔓茘枝)の朝鮮漬けです。

「朝鮮漬け」は “日本のお漬物” としては、塩による浅漬けまたはそれを元にした軽い本漬けを行うお漬物に辛めの乾燥した赤唐辛子を輪切りないし粗めに砕いて加えてピリリとした辛さと盛り付け時に日本のお漬物では珍しい鮮烈な赤色を漬け物とのコントラスト的に目にも楽しめる、そんなお漬物です。

だいたい、今の10代、20代の曾祖母、曽祖父くらいの世代の方がこのお漬物を「朝鮮漬け」と日常で呼んでいました。

“はんぶん、ちがいます” と冒頭で書いたのは、朝鮮式の真っ赤な漬け液(≃コチュジャン)を使う「キムチ」も「朝鮮漬け」と呼ばれていたからです。ただ、"当時の日本"ではまだ朝鮮式のキムチは日本人の舌には馴染んでおらず、 “朝鮮式の漬け物≃唐辛子を使った辛い漬け物” というエッセンシャルな要素から日本で一般的に作られていたお漬物に “ちょっとアレンジ” くらいで一般の日本庶民へ広がったのが冒頭写真で紹介し、この記事を書きながらつまんでいるタイプの “朝鮮漬け” だったというわけです。

なので、今の若い人たちから3つ、4つ上くらいの世代の人たちは “ちょっとアレンジ” 版の日本のお漬物に唐辛子を軽く加えた程度のものを「朝鮮(風の日本のお)漬け(もの)」と呼びます。それから、在日朝鮮人の方などが日本各地で地元民とコミュニケーションをはかるうち、徐々に朝鮮式の本場のキムチも日本人にも広がり、また、近年では日本人もカレーやホットソースなどで激辛党が居るほどの何度かの激辛ブーム、一般向けの製品でも激辛を謳う製品が市販されるなど、食品の辛味の旨さにも慣れて来たことも相まって、朝鮮式のキムチや、四川式の陳麻婆豆腐なども食されるようになりました。

そういう経緯があるので、 “もともとは朝鮮式のお漬物をヒントに赤唐辛子をエッセンシャルに日本のお漬物にアレンジ” したところから日本人の扱う「朝鮮漬け」というものは始まっていますし、もちろん、その “当時一般化した” “朝鮮漬け” の元はと言えば朝鮮で作られていたキムチですし、近年では日本人も様々な食事シーンでキムチを食べるようになり、本来の認知度も著しく向上したために、近頃の若い世代は “朝鮮漬け” を文字通りに受け取って “朝鮮” の “漬け物” = 「キムチ」と類推する事が可能となり、 “朝鮮漬け” = “キムチ” も若い世代を中心に成り立つようになりました。

参考

  1. allabout.co.jp

ねんのため: ことばについて

私はふだん、厄介事に巻き込まれたくないので特に歴史上意味がある場合などを除いて “朝鮮(半島)” は “コリア"、分裂している北側は "ノースコリア"、 南側は "サウスコリア” と言う事が多いのですが、今回は歴史上、また固有名詞や意図に対する可読性を考慮した表現の統一性などの都合から原則として “朝鮮” を使っています。 “朝鮮” は時折残念な事に “差別語である” などと扱われる事があり、私としては “朝鮮” に差別的な意図が無くとも面倒な事に巻き込まれる恐れを感じる “恐怖ワード” の1つだったりします。そこで、念のため、今回の記事で “朝鮮” の表記がありますが、これは呼称や歴史的な意味があって、恐らく現在最もこの問題に対して中性的な “コリア” を使う状況、記事ではないために使用しているのであって、まったく差別的な意図は微塵も無い旨を強く明記しておきます。この点については一切のコメントやディスカッションを受ける気はありませんので、どうぞ左右の人や愛国者や被差別云々の方は別のところで戦われて下さい。悪しからず。

さらに念のため、もう一度冒頭の言を書いておきます。ここはお気楽な私の食べ物への思いや、美味しかったものの紹介をするブログです。差別だと騒いで私を “鮨女” などと言うのはまったく構いませんが、わざわざ “鮨女” 風情の食べ物の気まぐれを書くブログを荒らさずに、より建設的に有効性の高い健全な議論を重ね、未来へ進まれて下さい。